体調の波と妄想という色のついたメガネのせいか、私から見えている世界は、遊園地の中にいるようにジェットコースター、メリーゴーランド、お化け屋敷…と目まぐるしく気分や認識が変わり、五感も鋭くなったり鈍くなったりする
SUGARで随筆を募集しているというので応募したいがネタがまったく思いつかない
ならばと、しばらく書くことを探しながら過ごすことにした
朝、いつも通り職場につき下駄箱に行くと、右足は自分のサンダル、左足は同じ色と素材だがサイズとデザインの違う家族のサンダルを履いて来てしまったことに気付いた
いつもならこんな自分にすこし落ち込むのだが、今日はいいネタができたのでまあいいか
仕事を終え自転車を漕いでいると、ちりりーんとどこかのお宅の風鈴が鳴った
いつもなら気づかないだろうその音色は、とても澄んで美しく、この夏の蒸し暑い不快さを少し和らげてくれる
前方から歩いてくる見知らぬ親子 すれ違いざま子どもが満面の笑みで私に手を振ってくれた
不意の出来事で少しびっくりしたが、わたしも自然と笑顔になった 子どもの笑顔はじつにかわいい
そして気づく
あれ?いつもとそう変わらない日常のはずなのになんか感じが違う
ああ、そうか
今日のわたしは、楽しいもの探しというメガネをかけて世界を見ているんだ
帰宅後、今日はとても体調がいい気がするんだ、と家族に言うと、
じゃあ今日はいつもより早めにゆっくりしたほうがいいね、と言われた
え、なんで?と聞くと、
だいたいその後体調崩すから
だそうだ
シンデレラの魔法も夜12時には解けてしまうが、わたしにかかった楽しいもの探しの魔法ももうすぐ解けてしまうらしい
(aki)